「復職日が決まったけれど、本当に大丈夫だろうか。」
体調は良くなってきたものの、不安を抱えたまま復職の日を迎える方は少なくありません。
私は20年以上、精神科病院やリワークで復職支援に携わってきました。その中で、復職された方からよく聞く言葉があります。
「復職する前に、もっと準備しておけばよかった。」
今回は、その経験をもとに、復職前にやってはいけない3つのことをお伝えします。
1.「最後だから」と寝過ぎたり、ゴロゴロし過ぎたりすること
復職が決まると、
「働き始めたらゆっくり休めないから、今のうちにのんびりしておこう。」
そう考える方は少なくありません。
もちろん、休養はとても大切です。
しかし、復職が近づいているのであれば、生活リズムは仕事に合わせて整えておく必要があります。
実際に復職された方からは、
「前日になって急に『ちゃんと眠れるかな』『朝起きられるかな』と不安になりました。」
という話をよく聞きます。
生活リズムが整っていないと、この不安はさらに大きくなってしまいます。
復職の1〜2週間前からは、起床時間や就寝時間を勤務日に合わせて過ごしてみましょう。
「朝決まった時間に起きる」という小さな積み重ねが、復職初日の安心につながります。
2.運動をしないこと
仕事は思っている以上に体力を使います。
通勤だけでも疲れますし、職場では集中力も必要です。人と話すことも、実は大きなエネルギーを使っています。
休職中は体調が回復しても、体力までは十分戻っていないことが少なくありません。
そのため、
「仕事は何とかできたけれど、帰宅したら動けない。」
「翌朝まで疲れが残ってしまう。」
という方も少なくありません。
激しい運動は必要ありません。
散歩やウォーキングなど、自分が無理なく続けられる運動で十分です。
また、できれば通勤訓練もおすすめします。
実際に復職する時間に家を出て、職場まで行ってみる。
それだけでも、
朝起きられるか
通勤でどれくらい疲れるか
帰宅後も余力が残っているか
を確認できます。
復職初日に初めて試すより、事前に経験しておくことで安心感も大きく変わります。
3.リワークで学んだことを練習しないこと
リワークを利用されている方に特にお伝えしたいことです。
認知行動療法やアサーションなど、リワークではさまざまなストレス対処法を学びます。
しかし、
「知っている」と「使える」は違います。
復職すると、ストレスを感じる場面は必ずあります。
そのときに、
「こんな考え方もできるかもしれない。」
「こう伝えてみよう。」
と自然に実践できることが大切です。
そのためには、復職前から繰り返し練習しておく必要があります。
実際にやってみると、
「こんな場面ではどうすればいいのだろう。」
「この伝え方でいいのかな。」
と迷うことも出てきます。
そんなときに相談できるのが、リワークのスタッフです。
復職してしまうと、気軽に質問したり練習したりする機会は少なくなります。
支援を受けられる今だからこそ、不安や疑問を一つずつ解決しながら、実践力を身につけておきましょう。
復職はゴールではなく、スタート
復職できることはもちろん大切です。
でも、本当に目指したいのは、
「復職して、無理なく働き続けられること」
ではないでしょうか。
そのためには、
生活リズムを整える
体力を戻す
ストレス対処法を練習する
この3つの準備が、とても大切になります。











