「復職してから、毎日ヘトヘトです。」
「帰ったら何もできなくて、ベッドに直行です。」
適応障害で休職し、復職された方から、このようなご相談をいただくことがあります。
「こんなに疲れるということは、復職が早すぎたのでしょうか。」
「また休職してしまうのではないか。」
そんな不安になる方も少なくありません。
でも、まずお伝えしたいことがあります。
復職後に疲れること自体は、とても自然なことです。
復職後は疲れて当たり前
久しぶりの仕事です。
通勤だけでも体力を使います。
職場では、人と話したり、周囲に気を配ったり、集中したりと、想像以上に脳も体もエネルギーを使っています。
たとえ職場の方が温かく迎えてくださったとしても、復職初期は疲れやすいものです。
ですから、「疲れる=復職が失敗だった」と考える必要はありません。
まずは、「疲れるのは普通なんだ」と受け止めてあげてください。
疲れを再休職につなげないために
ただ、疲れることが悪いわけではありませんが、その疲れを放置してしまうのはおすすめできません。
私がおすすめしているのは、セルフモニタリングです。
セルフモニタリングとは、自分の状態を客観的に観察することです。
自分の疲れ方や活動との関係が分かるようになると、自分で活動量を調整しやすくなり、症状の悪化や再休職の予防につながります。
活動と疲れを記録してみる
難しい記録は必要ありません。
翌日の朝や昼休みに、簡単に振り返るだけで十分です。
例えば、次のようなことを書き留めてみてください。
どんな仕事をしたか
どれくらいの時間取り組んだか
誰と仕事をしたか
印象に残る出来事はあったか
疲労度(10点満点)
疲労度を点数化しておくと、あとから見返したときに変化が分かりやすくなります。
疲れと活動の関係が見えてくる
2〜3週間ほど続けてみると、自分なりのパターンが見えてきます。
例えば、
「資料作成が続く日は集中しすぎて疲れやすい。」
「初対面の人と過ごす時間が長い日は緊張する。」
「この人と仕事をすると、いつも疲れが強い。」
そんなことに気づけるようになります。
そうすると、
「次は途中で休憩を入れよう。」
「この人と話す前には深呼吸をしておこう。」
「相手の考えと自分の考えを分けて受け止めよう。」
というように、具体的な対策が立てられるようになります。
また、
電話対応が続いた日
会議が長かった日
静かな部屋で仕事をした日
人の出入りが多い場所で仕事をした日
など、どんな環境だったのかも一緒に記録すると、自分に合う働き方がより見えてきます。
「心地よかった時間」も記録してみよう
疲れたことだけではなく、心地よかった時間もぜひ記録してください。
例えば、
一人で集中して仕事ができた
信頼している先輩と話して安心した
静かな場所で落ち着いて仕事ができた
「ありがとう」と言われて嬉しかった
こうした出来事も、自分にとって大切な情報です。
「どんな環境なら安心して働けるのか。」
「どんな仕事なら力を発揮しやすいのか。」
そんなことも見えてきます。
パターンが分かれば対策できる
例えば、
会議の日は疲れやすい。
午後になると集中力が落ちる。
電話対応が続く日は消耗しやすい。
逆に、
資料作成は落ち着いて取り組める。
少人数で話すほうが安心できる。
こうした自分の特徴が分かると、
「今日は会議が多いから帰宅後は予定を入れない。」
「昼休みは静かな場所で過ごそう。」
「仕事量について上司に相談してみよう。」
というように、疲れる前に対策を考えられるようになります。
こんな疲れ方には注意してください
一方で、次のような状態が続く場合は注意が必要です。
朝起きても疲れが取れない
休日は寝て終わってしまう
週を追うごとに疲れが強くなっている
イライラや涙が増えてきた
「会社に行きたくない」と考える時間が増えてきた
このようなときは、一人で抱え込まず、主治医や会社、支援者に相談してください。
復職は「自分を知る時間」
復職後の目標は、疲れない人になることではありません。
どんな仕事をすると疲れやすいのか。
どんな環境なら安心できるのか。
どんな人と一緒だと力を発揮しやすいのか。
自分自身を知ることが、長く働き続けるための第一歩です。
活動と疲れの関係を簡単に記録するところから始めてみてくださいね。










